■乾癬ってどんな病気

乾癬は欧米に患者さんが多く、「皮膚病」といえば「乾癬」を指すほど一般的に広く知られている病気です。

日本では欧米ほど頻度の高い皮膚病ではありませんが、昭和40年代から患者さんが増えています。

日本国内の患者数は推計約10万人です。その中で皮膚科を受診する患者さんの数パーセントが乾癬の患者さんといわれています。

乾癬は生命に関わる病気ではありません。しかし皮膚の症状が目に見えることや、日本ではまだあまり知られていない病気なので、日常生活への支障や精神的ストレスをともなう患者さんも少なくありません。

乾癬にかかると、皮膚が赤くなって盛り上がり、その表面に銀白色のかさぶたが厚くくっつきます。そしてフケのようにぼろぼろと剥がれて落ちるという症状が起こります。

かさぶたを無理に剥がすと、出血することがあります。かゆみは個人差があり、ほとんどかゆくないという人もいれば、強いかゆみを感じる人もいます。

乾癬の病状が進むと、病変部の数が増え、互いにくっついて大きくなります。また、爪が変形することもあります。 これらのような皮膚症状のほか、関節の痛みや変形、発熱や倦怠感など、全身症状が出ることもあります。

乾癬の原因はまだはっきりとわかっていません。しかし最近の研究では、免疫系に異常が生じ、炎症が起きていることがわかってきました。

乾癬は細菌やウィルスによる病気ではないので、他人に感染することはありません。

 
■乾癬の種類
 
●尋常性乾癬 (局面型乾癬)

尋常性とは「普通の」という意味です。乾癬患者さんの約90%がこのタイプです。下の写真のように、ひとつひとつの皮疹が大きくなって互いにくっつくと、局面(プラーク)を形成するので、欧米では「局面型乾癬」と呼ばれています。

●関節症性乾癬 (乾癬性関節炎)

皮膚症状に加え、関節に痛みや変形が現れます。少し関節が腫れるだけの人から、手足の指・背骨・腰などの関節が変形し、日常生活に支障が出る人まで個人差があります。 関節症性乾癬は関節リウマチに似ていますが、血液検査でリウマチ反応が出ない場合がほとんどです。 関節症性乾癬は、尋常性乾癬の症状と関節炎をともに治療する必要があります。 内服薬が効果不十分な場合には、生物学的製剤による治療を行います。生物学的製剤は関節リウマチの治療に使われている薬剤で、関節痛に高い効果を発揮することが確認されています。

●膿疱性乾癬

カサカサした部分だけでなく、少しジクジクして真っ赤な部分が生じ、その中に膿疱(白または黄色い膿をもつ小さな発疹)ができます。高熱や全身のむくみ、関節痛、倦怠感などがあり、多くの場合入院治療が必要になります。

・ 細菌検査を行い、細菌の感染による膿と区別します。
・ 膿疱性乾癬の発疹は、体の一部にしか現れないケースもあります。全身に症状が出る場合は
「汎発性膿疱性乾癬」と呼ばれ、特定疾患に認定されるので、治療費の補助を受けることができます。
・ 膿疱性乾癬は、乾癬の重症型と考えられており、日本の推定患者数は約1,800人です(平成24年度
「特定疾患医療受給者証」交付件数)。

●乾癬性紅皮症

皮膚症状が広がった状態で、全身の90%以上が真っ赤になります。皮膚の働きが損なわれるため、体温調節ができなくなり、発熱や倦怠感が生じます。症状によっては入院が必要な場合もあります。

●滴状乾癬

尋常性乾癬の発疹に比べ、小さ目の丘疹が全身にぱらぱらと出現します。水滴が跳ねたように見えることから、この病名がつきました。急性に発症することが多く、扁桃腺炎などが誘因となることがあります。
 
■乾癬の治療
 乾癬の治療で最も多くの患者さんに行われているのは、外用療法です。
外用療法で効果が不十分な場合は、内服療法や光線療法に切り替えたり、これらの治療を組み合わせて治療します。
 また、近年、抗TNFα療法をはじめとする生物学的製剤が登場し、治療が難しいとされる部位の皮膚症状ならびに爪病変の改善に加え、関節炎にともなう関節の変形を防ぐ効果も期待されています。
●ステロイド外用薬

乾癬の治療で最も多くの患者さんに使用されています。ステロイドは炎症を抑える働きがあり、短期間で効果が出る反面、長期間使い続けると皮膚が薄くなったり、皮膚の感染症を起こしやすくなることがあります。

●活性型ビタミンD3外用薬

ステロイド外用薬と同程度の効果がありますが、ステロイドよりも効果発現が遅く、2~3ヵ月かかります。活性型ビタミンD3外用薬を塗ると、ヒリヒリした刺激を感じることがありますが、長期間使い続けても副作用が増えることはありません。

●シクロスポリン

免疫の異常を抑える作用があります。シクロスポリンは高い効果が期待できる反面、血圧の上昇や腎臓の障害など副作用が起こることがあるので、服用中は定期的な検査が必要です。